オフィスビルや商業施設において、電力会社からオーナー側(ビル側)へ電気が請求され、その後ビル側から各テナントへ電気代を請求・回収するという流れが一般的です。
毎月の手間を減らすため、あらかじめ定額の単価を設定していたり、燃料費調整額のみを変動させたりしてテナントへ請求しているケースが多いかと思います。
しかし現在、この「テナントへの取り立て単価」と「実際の仕入れ価格」が逆転するケースが急増しています。
今回は、不動産オーナー様が直面している電気代の「逆ざや問題」と、その対策について解説します。
テナントへの請求で「逆ざや」が起きる理由
通常、テナントへの請求単価は一定の金額に設定されています。
例えば、取り立て単価を「25円/kWh」で固定しているとします。
しかし、ビル全体が「市場連動プラン」で電力契約をしている場合、電力市場の高騰にともなって実際の仕入れ価格が「30円/kWh」などに跳ね上がることがあります。
実際の仕入れ価格: 30円/kWh
このように、取り立てる金額よりもオーナー側が支払う金額の方が高くなってしまう「逆ざや(赤字)」の状態が発生し、オーナー様が差額の損失を一時的に、あるいは継続的に負担せざるを得ない状況が生まれています。
電力価格は今後下がるのか?(見通しの懸念)
「今後、市場価格が下がれば元に戻るのでは?」と思われるかもしれませんが、LNG(液化天然ガス)などの燃料価格の動向を見る限り、電力市場価格が劇的に下がっていく未来は期待しにくいのが現状です。
かといって、テナントに対して「今月から電気代を一斉に値上げします」と急に告げるのは、テナントとの関係性においても非常にハードルが高い選択肢です。
このままでは、オーナー側の負担が膨らみ続ける一方になってしまいます。
オーナー様が取るべき3つの選択肢
この状況を打破するためには、主に以下の3つのアプローチが考えられます。
- テナントへの取り立て単価を値上げする
- 電力プラン・電力会社の見直しを行う
- 契約内容の精査とコスト構造の改善
最も根本的な解決に見えますが、テナントとの交渉や理解を得るハードルが高い方法です。
最も手っ取り早く効果が出やすい方法です。 現在の契約プラン(特に市場連動プラン)が自社のビル運営に合っているか、固定プランへの切り替えや他社への乗り換えを含めて検討します。
テナント側の使用実態や契約条項を確認し、無駄なコストが発生していないかを点検します。
特に「市場連動プラン」をご利用のオーナー様へ
市場連動価格がすぐに下がる見込みがない以上、市場連動プランのままではリスクヘッジが難しくなります。
現在、テナントからの回収額と電力会社への支払い額に違和感がある場合は、
早急に「電力プランや電力会社の切り替え・見直し」をご検討いただくことを強くおすすめします。
電気料金の仕組みとリスクを正しく把握し、安定したビル経営・資産管理を守っていきましょう。
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